Dreaming Is Living

LA在住の音楽ライターが夢実現のヒントを綴ります

ジャスティン・ビーバー

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アメリカ時間で13日(金)にパリで起こった事件は、ロサンゼルスにも影響を与えています。
私の友人の多くは、誰もがFBのプロフィール写真をフランスの国旗と組み合わせて、フランスに祈りを送っています。
今夜開催される『ハンガーゲーム FINAL : レボルーション』のプレミア会場での取材は一切中止になり、出演者達はレッドカーペットに登場してファンと交流するのみとのこと。
日本の自粛と似ていますが、こういう時、思いや祈りに国境はないと感じます。

この13日、音楽業界内では一大イベントがありました。
ジャスティン・ビーバーの最新作『パーパス(目的、意義)』のリリース日だったのです。
ビーバーのファン、ビリーバー達にとっても、これは一大事件です。
ジャスティンのこの新作は、3年ぶりというだけでなく
彼がまさに若気の至りでやんちゃすぎる行動を繰り返し過ぎて、一般の人からも叩かれるようになってしまった後での大復活作。
盛大にお祝いしたい日なのに、
そうも言っていられない状況になって、残念だったと思います。
しかしビリーバー達の応援は絶大のようで、『パーパス』はitunes チャートで1位になり、絶好調の売れ行きを見せています。

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ジャスティンのデビュー当時から毎回ライヴレポートをしているのですが(上の写真は2012年10月のLA公演)
ここ数年の彼のイメージの崩れっぷりは酷いものがあって、アイドル的にはもう終わったかと思っていたんです。
その思い込みが覆されたのが、今年4月のアリアナ・グランデのLA公演(冒頭の写真)。
彼がサプライズ・ゲストで出て来た時の、女子達の叫びがもの凄かった。アリアナに向ける声援を超えている位の音量。
そこで彼はアリアナのショウなのに1曲分の自分だけのステージ時間を確保して「ホエア・アー・ユー・ナウ?」を披露、スクリレックスとディプロのユニットが手がけたクールなEDMでその踊りを鮮やかに見せつけて、
女の子をギャーギャー叫ばせた。
ああ、ジャスティン、全然終わっちゃいなかった。ごめんよ、ジャスティン。
と私は一人心の中で謝りました。

 

「ホエア・アー・ユー・ナウ?」についてはスクリレックスの記事でも触れましたが、

結果的に2015年のトップ10ソングに入る位の大ヒットぶりで、その後に出たニュー・アルバムからのファースト・シングル「ホワット・ドゥー・ユー・ミーン」も全米1位の大ヒット、数週間前に解禁になったセカンド・シングル「ソーリー」も大ヒット中。
その流れに乗ってアルバムも大成功というわけで、
ジャスティン・ビーバーは今でもトップスターであることを、見事に証明してみせました。おめでとうございます!

ロサンゼルスのKISS FMのカウントダウン番組『アメリカントップ40』のインタビューで、彼はこう語ってました。
「僕は音楽を通じて、本当の僕の姿を、皆に伝えたいんだよ。そして音楽は、僕が愛していることなんだ」
これがジャスティンの「パーパス」なんですね。
で、本当のジャスティンってどんな人間なの? という疑問ですが。
これもジャスティンが取材で繰り返し言っていることだけど
「僕はいい人間」。
ジャスティンは本当はいい人なのです。そしてそれを、みんなにも分かって欲しい。
ビリーバー達は知ってるから、ちょっと悪さしたぐらいじゃファンを止めない。ファンに対して酷い事したこともないしね。
私は(明らかな理由で)ジャスティンをそういう目で見たことはないですが、ジャスティンがアメリカのレズ坊に多いキュートなショートヘアでデビューして、クラブに行くと周りのレズ坊が誰も彼もジャスティンに見え、
仲間内でもそれが笑いのネタになるという幸せな時代を体験したので、彼には勝手に親しみの念を抱いています。

2011年の『アンダー・ザ・ミスルトウ』のリリース前に、各国の記者達がジャスティンを取り囲んだ取材で、
「子供の頃の僕は、ホリデーシーズンに皆が寄付した食料(フードドライブという寄付活動が街中で行われる)をもらっていたんだ。だから、皆にお返しをすることは大事だって思ってる」と、自分がチャリティー活動をした理由について答えていて、
「いい子じゃーん」と感嘆しました。当時、ジャスティンは18歳。その取材の訳を見返してみたら、もう一つ大事なこと言ってました。
人生の目的は、他の人達に良いことをして、良い人間になることなんだ。それが僕がなりたい人物で、僕は良い人間になりたい。単なるシンガーじゃなくて、人に尊敬されるような人間になりたいんだ
この時からジャスティンは、ぶれてないんですね。ちょっと揺らいじゃったけど。
でも、とりあえずこれまでの3曲の新曲を通して、私の目を通して見えてきた本当のジャスティンは……
「おのれ、どこまで女々しいんじゃ〜〜!!!!!」
だって、タイトルだけとってみても、
「君は今どこにいるの?」(「ホェア・アー・ユー・ナウ?」)、
「どういう意味なの? 分からないよ」(「ホワット・ドゥー・ユー・ミーン?」)
「ごめん、もう謝っても遅すぎる?」(「ソーリー」)
「ソーリー」に至っては、ラジオで流れる度に「遅すぎ、遅すぎ」とつっこんで楽しんでおります(ファンの皆さん、ごめんなさい)。
恋愛って、そんなものだしね。
これだけ素直に弱いところをさらしてくれると逆に、勇気ある!素敵!って惚れ直しちゃうのかも。

音楽ライターの視点から言うと、『パーパス』はポップス界に大きな影響を与えるであろう名作です!ビリーバーでなくても、いい年した大人でも、聞いてみて下さいね。気分が晴れると思います。
12月のプロモーション来日、どれだけビーバー・フィーバーが吹き荒れるか楽しみです。

 

Dreaming is Living!

Have a nice November!

 

パーパス

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