Dreaming Is Living

LA在住の音楽ライターが夢実現のヒントを綴ります

コールドプレイ

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コールドプレイ。2000年以降に登場した中でたぶん最大のバンド。
実は私、彼らに対して、長いこと敵対心みたいなものを持っていたんです。
バンドマンでもないのに敵対心はないだろって感じですが、
もともとモトリークルーとエアロスミスというハードロックからロックに入ったので
コールドプレイが一番人気になってから、そういう激しいロックが
90年代以上にどんどん片隅に追いやられていった気がしていたのです。
そんな中で唯一勝ってたのはニッケルバック(大好き)。
でも、彼らは時代にそぐわないお洒落でない音楽としてアメリカでは笑いのネタにされることも多かった。彼らについてはまた今度書きます。

90年代、ニルヴァーナの登場がグランジというロックの中のいちジャンルを追いやったように、2000年代、コールドプレイはそれより大きなロックそのものを追いやってしまった。そんな風に感じていたのです。心が狭いハードロックファンですね。
でも、1年半に初めて取材で会った時、クリス・マーティンがあまりに優しくていい人だったのですっかりファンになってしまった私(単純)。

 そもそもクリスは、今月発売された最新作『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』のアメリカの某雑誌の取材でも、「僕達はそんなにロック・バンドじゃないし」と言っています。最新作がロック・バンドらしくないゲストアーティスト満載で、過去最高にポップな仕上がりになったのは、そのおかげです。

典型的なロック・バンドでないバンドがロックの土俵(ジャンル)まで支配してしまってロック・バンドが生き残れないぐらいになってしまった、それだけのことなんです。
それだけの影響力を持っているコールドプレイは凄いと、今では心から思います。


そんな彼らのニュー・アルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は、
先日全米アルバムチャートで初登場2位を獲得しました。全英チャートでは1位。
彼らはイギリスで、この最新作を含めた7枚のアルバムを全て1位にしています。
このアルバム発売前にロサンゼルスで取材できたのですが(インタビューは『インロック』最新号に掲載)、なんといっても、タイトルの意味が「夢で一杯の頭」。
「このブログにどんぴしゃのタイトルだー!」と勝手に腹の中でワクワクしていました。

アルバム名は新作に収録されている「ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ」という曲からとられたものですが、このタイトルに合わせて、「今回は自分達の夢を曲で叶えよう」ということで、様々なゲスト・アーティストとコラボレーションを行ったのだそう。ビヨンセノエル・ギャラガー、トヴ・ロー、メアリー・ルー、そしてなんと元ワイフのグイネス・パルトロウまで、アルバムに参加しています。
サウンドも、これまでにやりたかったけれどやる勇気が持てなかったような影響を取り入れたとのこと。過去最高の自由度を持つポップなアルバムで、ヒップホップのビートを融合した曲もあり、突き抜けていて、ポジティブで、すごくカラフル。個人的には今までの作品の中で一番好きです。

2000年にメジャー・デビューして今年で丸15年。
それだけ長く同じバンドで音楽を作り続けていても、まだ頭が夢で一杯になっちゃうぐらい夢があるって素晴らしいことだと思うし、その夢を次々に形にしたアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』もまた、素晴らしいです。

冒頭の写真はアルバム発売に先駆けて、11/18にロサンゼルスのビーコンシアターで行われた特別ライヴで撮影。カラフルなアルバムを反映して、新作のツアーはこんな風に明るくて少しサイケデリックな感じの楽しさもあるものになりそうです。

『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は、ぜひ頭から最後まで通して聞いてみて下さいね。

 

Dreaming is Living!!

最近LAも寒いです。Please Take Care of yourself!