Dreaming Is Living

LA在住の音楽ライターが夢実現のヒントを綴ります

アレッシア・カーラ

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本日、私の超、超、超一押しのカナダの女性シンガーが、
日本でデビュー・アルバムを発表します。
彼女の名前は、アレッシア・カーラ。
アルバムのタイトルは『ノウ・イット・オール』(全米アルバム・チャート9位記録)。
もし今まで洋楽を一度も聞いたことがない人に、
「今おすすめのアルバムを一枚だけ教えて」と言われたら、これです。

これ、ものすっごいデビュー盤です。
私はジャンルを問わず音楽を聞いていますが、
一番好きなのは生のヴォーカル。人の声です。
だからヴォーカルが入っていないクラシックとかEDMは自分からは好んで聞かない。
そして、どんなジャンルでも、
「声」とその声が歌っている(あるいはラップする)「ストーリー」に惹かれます。

アレッシアは現在20歳ですが、約2年前にデビュー曲「ヒア」を聞いた時、
20代後半の黒人ジャズ・シンガーがやっとデビューしたのかと思うほど
声に成熟した深みと厚みと重みを感じました。
それがある日、TV番組に生出演して歌う姿を見たら、
まだ18歳の女の子。しかも見るからにスッピンでかわいい!!
そんな少女がもの凄い声でパフォーマンスしていて、完全にやられました。

好きな女性アーティストは正直数えきれないぐらいいるけれど、
声とパフォーマンスに度肝を抜かれたアーティストは、クリスティーナ・アギレラ以来でした。
信じられないほど歌が上手いだけじゃなくて、彼女が持つ強さと弱さが、声からほとばしってる。
だからリアルで、すごく生々しくて、ハートを直撃する。
彼女はもともとすごくシャイで、お母さんの前で歌うことすら恥ずかしかったのに勇気を出してyoutubeに曲をアップし始めたのだそう。

「ヒア」がヒットしたのは
その歌声の素晴らしさだけでなく、歌詞に込められたストーリーに共感する
地味な女の子達が沢山いたからだと思います。
アメリカでもリア充ってやっぱりあって、
特にネット世代の若者達にとって、
キラキラしてない人気者じゃない子たちって生きづらいんじゃないかと思ってたんだけど、
そんな時にリア充系のキッズが集まるホームパーティで
「私、マジでここ(ヒア)に用はないわ
友達がいるから会いにきただけ
でも正直、家でひとりでいる方がマシ」
とぶちまけた「ヒア」は、すごくリアルだった。
ティーンじゃないけど
アメリカのパーティーでいつも居心地悪くて隅に立っているシャイな私にも、
すごく共感できる曲だった。

「すごく好き!」と思っていた矢先、2015年の12月に
ロサンゼルスのエルレイ・シアターでライヴがあって
観に行った時の写真が上の写真です。ライヴがこれまたすごかった。
CDで聞ける声よりも上手くて、鳥肌ものでした。

そして、彼女をもっと好きにならずにいられなくなったのが、
セカンド・シングルの「スカーズ・トゥー・ユア・ビューティフル」。
これは「ヒア」よりもメッセージ性が強い曲なんだけど、
いつもスッピンで自然体でいる彼女の想いが詰まった曲。

綺麗になりたくて、皆に羨ましがられたくて、
自分を変えようと必至になっている女の子に、
アレッシアはこう歌うんです。

あなたはありのままで美しいんだって分かって
どこも変える必要なんかないんだって
この世界が心を入れ替えればいいの
あなたの美しさに傷は一つもない、私達は輝く星で、誰もが美しい
(意訳です)

訳してるだけで泣けてくるよ……。

この曲がラジオで流れ始めたのは昨年の7月末だったのですが
長い間ずーっと息の長いヒットを続けて、
遂に今年の2月3日、KISS FMのアメリカン・トップ40で1位を達成しました!
全米シングル・チャートでも10位を記録しています。
じわじわと人気が上昇していったのは、歌の力ももちろんだけれど
彼女の歌う「ストーリー」の力が、他の人には出せない魅力を持っているからだと思う。

最近では最新ディズニー・アニメ映画「モアナと伝説の海」のエンディング曲、
「ハウ・ファー・アイル・ゴー」を歌っていることが話題で、
この曲は第89回アカデミー賞で「主題歌賞」にノミネートされています。

『ノウ・イット・オール』はアメリカでは2015年に11月に出ているので、
それから1年以上かけての日本デビュー。
これからは日本でもビッグになって欲しい。
彼女の声が、一人でも多くの女の子達に届いて欲しい。もちろん、男の子達にも。
ぜひ、アルバムを通して聞いてみて下さいね。全曲すごいから。

 

Dreaming is Living!

Never stop dreaming if you are lucky enough to have one