Dreaming Is Living

LA在住の音楽ライターが夢実現のヒントを綴ります

ブリトニー・スピアーズ

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みなさま、かなり遅ればせながら、今年も宜しくお願いします。
新春ということで、今日の記事は私が女神のように崇拝しているブリトニー・スピアーズです。

「なぜこのタイミングで?」と思われるかもしれないけれど、
年末大掃除をしていたら、2002年の『Britney Spears Live from Las Vegas』のビデオテープが出てきたのです。
世界で約1200万枚も売り上げた3枚目のアルバム『ブリトニー』の発表後に行われた「ドリーム・ウィズイン・ア・ドリーム(夢の中の夢)」ツアーのラスベガス公演のライヴ映像。


13年前の21歳のブリちゃんは、それはそれは凄かった!
オーラ出まくり、ダンス切れまくり。
健康的なセクシーボディで踊って歌って女王のように場内を制圧しつつ、
時折みせる無邪気で愛くるしい笑顔が全オーディエンスの心を射抜く。
当時の彼女は世界的なスターに必要なものを全て兼ね備えていて、本当に神々しかった。
ブリトニーほどのスター性を持つポップスターは、今でもいないと私は思っています。ファンも、何年経とうが彼女の全盛期に受けた衝撃を鮮明に覚えているようで、コンサートを観に行くと、今でも誰もがブリトニーを“クイーン・オブ・ポップ”として崇めているのが良くわかります。

そんなブリトニーは自他ともに認める人見知りで、アルバムを発表する際にほとんど取材を受けません。
おかげでまだ取材の夢は叶っていないのですが、2011年の『ファム・ファタール』発売時の朝のニュース番組『グッド・モーニング・アメリカ』生出演(冒頭の写真はその時のもの)と、2013年末の前作『ブリトニー・ジーン』のメディア向けのCDリリース・パーティで生のブリちゃんを拝む機会に恵まれました。

どちらのイベントでも彼女は無邪気で素敵な笑顔を見せてくれていましたが
明らかに緊張していて、話すのが恥ずかしそうで、司会者の質問に一言二言、答えるのみ。
ステージ上で見せる目映いオーラは影を潜めています。でも、そのギャップがまた魅力的なのです。
そして逆にステージ上のMCでは、普段あまり喋らないことも功を奏して、一言一言がファンにとってとても貴重なメッセージになる。

Britney Spears Live from Las Vegas』の終盤で、ブリトニーが語ったMCを引用します。

「私は私が言うことや言わないこと、私が着る服のことで酷く批判されてるわ。
でも、私は心の内で感じるままを行動に移しているだけ。
それに若い女性として、まだまだ学ぶことが沢山あると思っているわ。
私は最高の気分なの。
だって自分が本当に大好きなこと、パフォーマンスをやっているから。
今の私は最高にワイルドな夢を生きてるの!
私からのアドバイスよ
夢を見る情熱を、絶対になくさないで

この時に疑いの余地なく世界の頂点にいたブリトニーが、それから結婚、出産を体験しながらもトラブル続きでバランスを崩していったこと。
けれど離婚後の2008年の『サーカス』で返り咲いて、2011年の『ファム・ファタール』ツアーも大成功させ、2013年末の『ブリトニー・ジーン』の発表に合わせて最終的にこのべガスのショウに辿り着くまでの軌跡を振り返ると、このアドバイスはより重みを持ちます。
トラブルを起こしたりして皆に心配されていた時期も含めて、ブリトニーには人並みならぬ人間臭さと自分の夢に対するど根性を感じるし、そこにも私は惹かれています。

もしラスべガスに行く機会があったら、ブリトニーのショウ、『ピース・オブ・ミー』を観るのをお忘れなく。
2013年にプラネッドハリウッド内のAXISオーディトリアムで始まったこのショウは、2年間連続で年間50公演が行われ、大好評につき2017年まで続行されることが決定。私は2014年の春に観に行ったのですが、何度でも観に行きたいと思うほど素晴らしいショウでした。
ただ、この2002年の公演の映像と比べてしまうと、
『ピース・オブ・ミー』の彼女のパフォーマンスは、明らかに全盛期ほどのキレがない。もちろん体型にも21歳の頃の完璧さはない。
どんな人にも全盛期はあるし、大スターだってただの人間なんだと思わずにはいられませんでした。
それでも『ピース・オブ・ミー』は彼女にとって「これまでの人生で最大のプロジェクト」ということで、
過去のツアーよりも一層気合いを入れて望んでいて、体型も以前よりぐっと引き締まっているし、今の彼女にとってベストのパフォーマンスを披露してくれています。
まさに全身全霊で頑張っているブリトニーの姿が見られるし、
イントロが始まるだけでアドレナリンが噴出するような大ヒット曲ばかりの黄金のセットリストを持っているということにも改めて感嘆させられるし、
べガスならではの華やかな演出も盛り沢山で、何より4600席の劇場なので後ろの席でもブリちゃんに近い!
ゴージャスなべガスのクラブでブリトニーと一緒にパーティしているかのような夢が現実に見られます。
個人的にこのショウの中でのハイライトとして推しておきたいのが、最新アルバム『ブリトニー・ジーン』に収録されたミッドテンポのバラード曲「パフューム」。
踊らなくても、過度にセクシーに攻めなくても、ブリトニーはオーラを放っていることが良く分かる曲です。

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自分の夢を追うのも楽しいけれど、自分が好きな人の夢を自分のことのように受け止めて応援するのも楽しいこと。

ファンとして、ブリトニーの夢をずっと応援したいなと思っています。

Dreaming is Living!

Do not ever lose your passion to dream -- Britney Spears

 

 

コールドプレイ

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コールドプレイ。2000年以降に登場した中でたぶん最大のバンド。
実は私、彼らに対して、長いこと敵対心みたいなものを持っていたんです。
バンドマンでもないのに敵対心はないだろって感じですが、
もともとモトリークルーとエアロスミスというハードロックからロックに入ったので
コールドプレイが一番人気になってから、そういう激しいロックが
90年代以上にどんどん片隅に追いやられていった気がしていたのです。
そんな中で唯一勝ってたのはニッケルバック(大好き)。
でも、彼らは時代にそぐわないお洒落でない音楽としてアメリカでは笑いのネタにされることも多かった。彼らについてはまた今度書きます。

90年代、ニルヴァーナの登場がグランジというロックの中のいちジャンルを追いやったように、2000年代、コールドプレイはそれより大きなロックそのものを追いやってしまった。そんな風に感じていたのです。心が狭いハードロックファンですね。
でも、1年半に初めて取材で会った時、クリス・マーティンがあまりに優しくていい人だったのですっかりファンになってしまった私(単純)。

 そもそもクリスは、今月発売された最新作『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』のアメリカの某雑誌の取材でも、「僕達はそんなにロック・バンドじゃないし」と言っています。最新作がロック・バンドらしくないゲストアーティスト満載で、過去最高にポップな仕上がりになったのは、そのおかげです。

典型的なロック・バンドでないバンドがロックの土俵(ジャンル)まで支配してしまってロック・バンドが生き残れないぐらいになってしまった、それだけのことなんです。
それだけの影響力を持っているコールドプレイは凄いと、今では心から思います。


そんな彼らのニュー・アルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は、
先日全米アルバムチャートで初登場2位を獲得しました。全英チャートでは1位。
彼らはイギリスで、この最新作を含めた7枚のアルバムを全て1位にしています。
このアルバム発売前にロサンゼルスで取材できたのですが(インタビューは『インロック』最新号に掲載)、なんといっても、タイトルの意味が「夢で一杯の頭」。
「このブログにどんぴしゃのタイトルだー!」と勝手に腹の中でワクワクしていました。

アルバム名は新作に収録されている「ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ」という曲からとられたものですが、このタイトルに合わせて、「今回は自分達の夢を曲で叶えよう」ということで、様々なゲスト・アーティストとコラボレーションを行ったのだそう。ビヨンセノエル・ギャラガー、トヴ・ロー、メアリー・ルー、そしてなんと元ワイフのグイネス・パルトロウまで、アルバムに参加しています。
サウンドも、これまでにやりたかったけれどやる勇気が持てなかったような影響を取り入れたとのこと。過去最高の自由度を持つポップなアルバムで、ヒップホップのビートを融合した曲もあり、突き抜けていて、ポジティブで、すごくカラフル。個人的には今までの作品の中で一番好きです。

2000年にメジャー・デビューして今年で丸15年。
それだけ長く同じバンドで音楽を作り続けていても、まだ頭が夢で一杯になっちゃうぐらい夢があるって素晴らしいことだと思うし、その夢を次々に形にしたアルバム『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』もまた、素晴らしいです。

冒頭の写真はアルバム発売に先駆けて、11/18にロサンゼルスのビーコンシアターで行われた特別ライヴで撮影。カラフルなアルバムを反映して、新作のツアーはこんな風に明るくて少しサイケデリックな感じの楽しさもあるものになりそうです。

『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は、ぜひ頭から最後まで通して聞いてみて下さいね。

 

Dreaming is Living!!

最近LAも寒いです。Please Take Care of yourself!

 

ショーン・メンデス

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先週のジャスティン・ビーバーの来日、
かなりのフィーバーだったようで何よりです!
でも今現在、アメリカで天下をとっているのは実はジャスティン・ビーバーではないのです。
若干17歳のシンガーソングライター、ショーン・メンデス君です。

ショーンはジャスティンと同じくカナダ出身で、ネットにアップしたカヴァー曲のヴィデオが大ヒットして注目され、メジャー・デビューしたアーティスト。
ジャスティンとの世代の差を感じるのは、それがYoutubeではなく、
2013年に登場した6秒のヴィデオをシェアするアプリ、Vineだったことです。
Island Recordsとの契約を獲得した後、
2014年6月に発表されたファースト・シングル「ライフ・オブ・ザ・パーティ」がビルボードのシングルチャートで24位を記録。
この時まだ15歳だったショーンは、デビュー曲がチャートのトップ25入りを果たした史上最年少アーティストとして話題になりました。
それからオースティン・マホーンの全米ツアーの前座をつとめてさらにファンを拡大し、7月に発表したEPがアルバム・チャートで5位を獲得。
テイラー・スウィフトの「1989」ツアーの北米公演の前座をつとめた後、11月には自分のショウを行うまでに成長し、ロサンゼルスのウィルターンシアターという会場を完売にしました。写真はその公演時に撮影したものです。
集まっていた観客の多くはショーンと同年代か、それよりも若い女の子達。
16歳以下は大人の同伴が必要なため、会場にはお母さん達も多く訪れていて、ジャスティンがデビューした当時と同じような状況になっていました。

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キャラとしてはショーンは素朴で地味な男の子。
アコースティック・ギターで弾き語りをする歌にもその素朴さや誠実さがにじみでていて、華やかなポップスターばかりの音楽業界でこのキャラは逆に新鮮で、それだけに需要も高かったのではないかと思います。
2015年4月に発表したデビュー・アルバム『Handwritten』は見事全米1位を獲得しました。


そのアルバムからの3枚目のシングル「スティッチズ」が
全米で流れているKISS FMのトップ40カウントダウン番組、「アメリカン・トップ40」でテイラー・スウィフトやアデルの曲を抑えて、
なんと3週連続で1位を独走しているのです。
「Stitches」というのは怪我をした傷口を縫い合わせた跡のこと。
「針と糸で 君を僕の頭から閉め出さなきゃ」という失恋の歌で、
彼の実体験ではなく、「想像で書いた曲」だそう。
ショーンの曲は年齢の割には「大人びている」とも言われているのですが
実際の彼はまだ恋愛経験が少なそうなところが初々しくてカワイイ。
ティーン・シンガーの典型的なポップソングとは違って、
大人が聞いても共感できる仕上がりになっているのも凄いと思います。

そんな彼が、先週土曜日のKISS FMでいつものDJライアン・シークレストに代わってゲストDJをつとめました。

4時間の番組中、リスナーから電話やツイッターで質問を受けつけ、
「あなたの仕事の中で、一番いいことって何ですか?」という質問にキュートな声でこう答えていました。
「この仕事をやっていていいことは沢山あるよ。
ショウをやっていて、皆からいいリアクションをもらっている時とか、
ファンの子が、僕の曲に助けられたって言ってくれる時とか、そういう時に
僕って世界一いい仕事を持ってるなあ!って思うんだ

 

世界で一番いい仕事。
それは、その人が何が好きかによって変わってくると思います。
もちろん仕事だけが人生じゃないけれど
そんな仕事を見つけられたら。そして実際に、その夢を生きられたら。
最高に幸せを感じられることになるのではないでしょうか。

ショーン・メンデス君、超おすすめです。

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Dreaming is Living!
あなたにとっての世界一の仕事、見つけてみて下さいね。

 

笑わせることに幸せを見いだす男子達

今週末のアメリカはサンクスギビング・ウィークデーといって
国を挙げて国民が家族や親しい友人達と七面鳥の丸焼きをいただくという感謝祭(木)からずっとお正月的なノリだったので、今日はどうでもいい話をつれづれに。

TV取材の通訳をしていて良くある質問。
「このアルバムのレコーディング中の面白いエピソードはありますか?」
物作りをしたことのある人はなんとか分かるのではないかと思うけど、
アルバム制作は地道で地味な作業。繰り返しも多い。
そんな真剣な状況で笑えるエピソードとかって、そうそう起こらないようです。
でも面白いネタが欲しいから、毎回のように聞く。
そうすると、アーティストって器がでかいなといつも思うんだけど、
男女ともに一生懸命ネタを考えてくれます。
ただ、大抵男子の方が、より一生懸命。
そして、なんとかこちらを笑わせようと、それを考えるのを楽しんでいる感がある。

男子は…とか女子は…と一括りで語ることが無理なのは承知ですが、
ずっと同じ質問をしてきた中で感じたこと。
男性アーティストの多くは、人にウケてもらうのが好き。
これはエンターテイナーでもあるアーティストの気質なのかな? とも思ったけど
まあ、男性は一般的にそういう生き物なのではないかと。
で、男ではないレズ坊はどうかというと、女の子を笑わせることに情熱を注ぐレズ坊は多数存在します。彼女以外の女子や男子も笑わせようとします。

男性ホルモンの関係でしょうか。

人に喜んでもらうっていうのは男女ともに誰でも嬉しいことかもしれないけれど、
笑わせるということが喜ばせることの中でも大きな比重を占めている人、
それをいつも試みる人は魅力的だなと私は思う。
そっか、だからお笑い芸人とコメディアンってモテるのか。

 

Dreaming is Living!
過ごしやすく楽しい冬でありますように。

 

ジャスティン・ビーバー

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アメリカ時間で13日(金)にパリで起こった事件は、ロサンゼルスにも影響を与えています。
私の友人の多くは、誰もがFBのプロフィール写真をフランスの国旗と組み合わせて、フランスに祈りを送っています。
今夜開催される『ハンガーゲーム FINAL : レボルーション』のプレミア会場での取材は一切中止になり、出演者達はレッドカーペットに登場してファンと交流するのみとのこと。
日本の自粛と似ていますが、こういう時、思いや祈りに国境はないと感じます。

この13日、音楽業界内では一大イベントがありました。
ジャスティン・ビーバーの最新作『パーパス(目的、意義)』のリリース日だったのです。
ビーバーのファン、ビリーバー達にとっても、これは一大事件です。
ジャスティンのこの新作は、3年ぶりというだけでなく
彼がまさに若気の至りでやんちゃすぎる行動を繰り返し過ぎて、一般の人からも叩かれるようになってしまった後での大復活作。
盛大にお祝いしたい日なのに、
そうも言っていられない状況になって、残念だったと思います。
しかしビリーバー達の応援は絶大のようで、『パーパス』はitunes チャートで1位になり、絶好調の売れ行きを見せています。

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ジャスティンのデビュー当時から毎回ライヴレポートをしているのですが(上の写真は2012年10月のLA公演)
ここ数年の彼のイメージの崩れっぷりは酷いものがあって、アイドル的にはもう終わったかと思っていたんです。
その思い込みが覆されたのが、今年4月のアリアナ・グランデのLA公演(冒頭の写真)。
彼がサプライズ・ゲストで出て来た時の、女子達の叫びがもの凄かった。アリアナに向ける声援を超えている位の音量。
そこで彼はアリアナのショウなのに1曲分の自分だけのステージ時間を確保して「ホエア・アー・ユー・ナウ?」を披露、スクリレックスとディプロのユニットが手がけたクールなEDMでその踊りを鮮やかに見せつけて、
女の子をギャーギャー叫ばせた。
ああ、ジャスティン、全然終わっちゃいなかった。ごめんよ、ジャスティン。
と私は一人心の中で謝りました。

 

「ホエア・アー・ユー・ナウ?」についてはスクリレックスの記事でも触れましたが、

結果的に2015年のトップ10ソングに入る位の大ヒットぶりで、その後に出たニュー・アルバムからのファースト・シングル「ホワット・ドゥー・ユー・ミーン」も全米1位の大ヒット、数週間前に解禁になったセカンド・シングル「ソーリー」も大ヒット中。
その流れに乗ってアルバムも大成功というわけで、
ジャスティン・ビーバーは今でもトップスターであることを、見事に証明してみせました。おめでとうございます!

ロサンゼルスのKISS FMのカウントダウン番組『アメリカントップ40』のインタビューで、彼はこう語ってました。
「僕は音楽を通じて、本当の僕の姿を、皆に伝えたいんだよ。そして音楽は、僕が愛していることなんだ」
これがジャスティンの「パーパス」なんですね。
で、本当のジャスティンってどんな人間なの? という疑問ですが。
これもジャスティンが取材で繰り返し言っていることだけど
「僕はいい人間」。
ジャスティンは本当はいい人なのです。そしてそれを、みんなにも分かって欲しい。
ビリーバー達は知ってるから、ちょっと悪さしたぐらいじゃファンを止めない。ファンに対して酷い事したこともないしね。
私は(明らかな理由で)ジャスティンをそういう目で見たことはないですが、ジャスティンがアメリカのレズ坊に多いキュートなショートヘアでデビューして、クラブに行くと周りのレズ坊が誰も彼もジャスティンに見え、
仲間内でもそれが笑いのネタになるという幸せな時代を体験したので、彼には勝手に親しみの念を抱いています。

2011年の『アンダー・ザ・ミスルトウ』のリリース前に、各国の記者達がジャスティンを取り囲んだ取材で、
「子供の頃の僕は、ホリデーシーズンに皆が寄付した食料(フードドライブという寄付活動が街中で行われる)をもらっていたんだ。だから、皆にお返しをすることは大事だって思ってる」と、自分がチャリティー活動をした理由について答えていて、
「いい子じゃーん」と感嘆しました。当時、ジャスティンは18歳。その取材の訳を見返してみたら、もう一つ大事なこと言ってました。
人生の目的は、他の人達に良いことをして、良い人間になることなんだ。それが僕がなりたい人物で、僕は良い人間になりたい。単なるシンガーじゃなくて、人に尊敬されるような人間になりたいんだ
この時からジャスティンは、ぶれてないんですね。ちょっと揺らいじゃったけど。
でも、とりあえずこれまでの3曲の新曲を通して、私の目を通して見えてきた本当のジャスティンは……
「おのれ、どこまで女々しいんじゃ〜〜!!!!!」
だって、タイトルだけとってみても、
「君は今どこにいるの?」(「ホェア・アー・ユー・ナウ?」)、
「どういう意味なの? 分からないよ」(「ホワット・ドゥー・ユー・ミーン?」)
「ごめん、もう謝っても遅すぎる?」(「ソーリー」)
「ソーリー」に至っては、ラジオで流れる度に「遅すぎ、遅すぎ」とつっこんで楽しんでおります(ファンの皆さん、ごめんなさい)。
恋愛って、そんなものだしね。
これだけ素直に弱いところをさらしてくれると逆に、勇気ある!素敵!って惚れ直しちゃうのかも。

音楽ライターの視点から言うと、『パーパス』はポップス界に大きな影響を与えるであろう名作です!ビリーバーでなくても、いい年した大人でも、聞いてみて下さいね。気分が晴れると思います。
12月のプロモーション来日、どれだけビーバー・フィーバーが吹き荒れるか楽しみです。

 

Dreaming is Living!

Have a nice November!

 

パーパス

パーパス

 

 

 

ペンタトニックスの最新作『ペンタトニックス』本日世界同時発売!

といっても日本の方が1日早いから、アメリカではまだ発売されてないんだけど。
すでに一度ご紹介したアメリカのアカペラ・グループ、ペンタトニックスが、
10月16日、初のオリジナル・アルバム『ペンタトニックス』をリリースしました。

驚異的なアカペラをやる彼らのオリジナル曲がメインのアルバムは、

驚異的という言葉では足りないぐらいの傑作です。
昨年末の彼らのクリスマス・アルバム『That's Christmas to Me』は
全米アルバム・チャートで2位だったので、最新作も来週のチャート結果が楽しみ。

ラジオよりもYouTubeで世界的にヒット曲を連発してきた彼らですが、
オリジナル曲のファースト・シングル「キャント・スリープ・ラヴ」のPVは
公開後1日で91万回を超える再生回数を突破、現在は580万回を超えています。

 

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この『ペンタトニックス』のプロモーションで、再びLAで取材が行われました。写真はその取材の写真撮影時(左からアヴィ、カースティ、スコット、ミッチ、ケヴィン)。
取材の合間にちょっとカースティと雑談できたのですが
今年6月に日本ツアーで来日した時の裏話。
カースティが秋葉原に行って、キュートなアニメグッズとかがあるお店かと思ってある場所に入ったら、
「セクシーな女の人がいて、お客は男性ばっかりだったのー!!
女性は私達(カースティーとおそらく同行したお母さん)だけで、きゃー!!どうしよー!!!って」
手をパタパタさせながら、その時の慌てぶりを見せてくれました。

「もっと、キッズが行くようなキディランドみたいなお店を探してたのよー。秋葉原にはないの?」
いや、たぶんないよね……。
その男の客のみだった怪しい店がなんだったのかも分からないけど……
それはそれは驚いたでしょうね。慌てぶりが可愛かったです。


ペンタトニックスが日本デビュー当時に教えてくれた
アカペラ・グループとしてだけでなく、革新的な音楽をやっているグループとして知られたい」という夢は、
間違いなく『ペンタトニックス』で達成されると思います。
彼らの次なる夢は、「ラジオでヒット曲を出すこと」だそうです。
11月に彼らが日本にプロモーション来日する頃
日本のラジオで「キャント・スリープ・ラヴ」か新シングルが、かかりまくっているといいですね。

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Have Happy October

 

 

ジョニー・デップ(of ハリウッド・ヴァンパイアーズ)

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あのジョニー・デップが、ロック・バンドを始めましたよ。この写真右隣の怪しいルックスのアリス・クーパーと。
しかももう一人のメンバーは、私が高校生の時から一番好きなギタリスト、ジョー・ペリーエアロスミス)です。そのバンドの名前は、ハリウッド・ヴァンパイアーズ
元祖ショック・ロッカーのアリス・クーパーが、
1970年代にロサンゼルスのサンセット通りにある「レインボー・バー&グリル」で夜な夜な飲んでいたザ・フーやザ・モンキーズのメンバーや、ジョン・レノンリンゴ・スターといった大スターの飲み仲間につけたグループ名をとって、
あの世にいってしまった仲間達の追悼の意味も込めて結成したバンドです。

9月16日、その「レインボー・バー&グリル」の隣にある40年の歴史を持つライヴ・ハウス、ロキシーで、彼らは初のライヴを行いました。
このライヴが、やばかった!
この3人に元ガンズのダフ・マッケイガンマット・ソーラムが加わってのショウで、さらに衝撃のゲスト続出。(レポートは来月号の『インロック』に掲載されます)
ジョニーはかつてロック・バンドをやっていて、
サンセット通りの有名なライブハウス、ヴァイパー・ルームのオーナーだったこともあるのですが、ギタリスト姿も素敵でした。

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ジョニー・デップを好きでない人なんかいないんじゃないかしらと思うぐらい、
ご多分にもれず私もジョニーのファンです。美しくてヘンなところが素敵。
そんなジョニデに取材をするという天地がひっくり返りそうな事態が、2011年に起こりました。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のプレミア前の日本用の取材で、
音楽ライターの私に一時的に降って来た、某スポーツ新聞社さまの依頼でした(ありがとうございます)。
丁度震災後の取材だったので、記事は映画の出演者達が日本に向けて送った応援メッセージがメインになり、ジャック・スパロウ役のジョニーの囲み取材で聞いた質問の答えは、記事には入りませんでした。
いつかどこかで出せたらいいなと思っていたので、この機会に。

 

ーー今回の『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』もまた、子供に夢を与える内容になっていると思うのですが、子供に夢を与えるような映画に出ることは、あなたにとって大事なことなのでしょうか?

僕は子供の頃から変わっていて、ういてたんだ。だから僕は、無法者とか変わり者の役を演じるのが好きなんだ。僕がそういうキャラクターを演じることで、変わっていてもいいんだよ、っていうことを伝えられたらと思ってる

 

やはり彼は素敵でした。すごく控えめで、静かに話す人でした。
この答えをあとでレズ坊友達に話したら、「それってうちらに言ってくれてるじゃん!」と大興奮。「だよねー!」と喜び合いました。
別にジョニーは性的マイノリティのことを言っていたわけではなくて、
世の中のマジョリティの枠からはみ出てしまうあらゆる人達のことを言っていたのだけれど、私には特に染みる言葉でした。

 

変わり者といえば、音楽業界の中でも特にロック・スターはヘンな人が多いです。ヘンな人しかいないかも。
近年そういうスターがいるロック・バンドが激減してしまって寂しいなと思っていたところに、いきなり究極のスーパー・バンド、ハリウッド・ヴァンパイアーズが誕生しました。基本的にカバー・バンドなので、クラシック・ロックやハード・ロックが好きな人にとっては至極のバンドです。
アルバム『ハリウッド・ヴァンパイアーズ』も発表されたので、チェックしてみて下さいね。

 

Dreaming is Living!

あっという間に9月最終日。よい一日をお過ごし下さい!